ヒヨッコの僕たちがどうやって新規プロダクトPyQを企画・開発・販売したか

今日、4月12日は何の日でしょうか? 久々に晴れて気持ちが良かった日?それももちろんそうですが違います。

今日は PyQ の正式リリースの日です!

こんにちは。 @hirokiky です。 これはヒヨッコだった僕が、僕たちが1年で勉強した、製品の企画、開発、価格戦略、マーケティング戦略の話です。 チームのみんなで勉強して奮闘した1年でした。

さて、どんな話なんでしょう。

自信過剰のヒヨッコ、ky

僕は自信たっぷりでしたが、ヒヨッコでした。 僕は今までも自分で PileMd を作ったり、 PythonとDjangoでお仕事してきたりと自分と製品づくりには結構自信がありました。

でも

  • 「ホントウに人が欲しい価値あるものを作る」
  • 「何かを作ってお金をいただいて、そのお金でもっといいものを作る」
  • 「作ったものを求める人に届ける」

ということはできませんでした。今思えば。 エンジニアとして自信があっても、ホントウに求められる製品を作る方法とか、値段の付け方とか、宣伝の仕方とか分からなかったです。

たぶん、これができる人はすごいと思います。できたら起業しろって、そういうレベルですね。

正直分からない。。。どこで学べば良いのかも分からない。。。 実際「新規の事業を企画して開発して売る」まで一気通貫でできる機会って少ないんですよね (そりゃ毎日何かがリリースされてたらチョット忙しいですよね)。

で、僕は全くその辺を知らなかったんですが1年 PyQ を通して学んだことを書きたいなと思います。 数人の少ないチームのみんなで勉強しながらここまでやってきました。大変でしたがチームも、会社自体も成長できたと思います。 (これからもみんなでやっていこうな!)

今日、リリース時のテンションで書いてるので、雑筆なのは許してください。

製品の企画!どんな価値を提供するの?

さて「新しいビジネスをやるぞ!」と意気込んでも何を作るんでしょう。 とりあえずで「ブルーオーシャンを狙った」自分でもよく分からない物を作ったことある人は僕だけじゃないはずです。ありますよね?

まずは、何をつくるかを決めましょう。どうやって?

PyQではまずharuさんの思いから始まりました。平たく言うと 「技術の底上げをしたい。多くの人はプログラミングとかの技術に興味があるし今後も人が増えるけどできない。人材の紹介とかパイの取り合いはやってるけどパイを増やすことができていない」 という思いから始まります。

でもそれだけだと何にもならないですよね。これを育てていかないといけません。

僕は1年前にこの企画に入ります。それまでは同僚のかめちゃんが1人でプロトタイプとかを作って、haruさんshinさんと模索している段階でした。 入ったときは今の PyQ の原型もほぼなくて、SQLを学ぶプラットフォームだったりしました。 僕が入る中で「この製品はいけてないな」とかエラそうなことを言います。 そこで僕もプロトタイプに入って、コンテナー技術でうまく学習プラットフォームを提供する仕組みを作ります。

でもやっぱり何か違う。 何をつくるかってどうやって決めるんでしょう?

そこで4人(haru, shin, kameko, 僕ky)で企画から練り直すことになりました。 一旦みんなで本を読んで、ひたすらそれを元に僕たちのストーリーは何かと話しました。

ここで、参考になる本をお伝えします。

この本では事業のストーリーを練って価値あるものにしていこうということが書かれています。 この中でPyQというものが見えてきました

  • Pythonを使うこと。Pythonを徹底的に学べること
  • BeProudの知見を最大限盛り込むこと
  • BeProudの他事業(研修事業など)と連携すること
  • オンラインで学べること

が大まかに見えてきます。ストーリーも浮かび上がってきます。 おぉ、これはすごいぞと。

そこからさらに踏み込んで、ステークホルダーの人々、そこにある要求、提供できる価値を見える化していきました。 その方法には匠メソッドという方法を使っています。

匠メソッドは「ステークホルダーは誰か、私たちは何か、で、提供できる価値は何か?」を図に書きながら掘り起こす手法です。 これで、チームで合意を形成しつつ、ぶれない「製品の価値」を定義できます。

これは今BeProudの会社としても、例えば受託でお仕事いただくときもお客さまにとっての価値は何かを見つけるために使っていたりします。 PyQでもこの匠メソッドを使って「使う人、関わる人に取っての価値は何か?」を徹底的に徹底的に掘り下げました。

このプロセスはスピード感はありましたが、延べで1,2ヶ月ほど時間を使っていた記憶です。 でもそのおかげで、全く的はずれな製品に注力することなく価値ある PyQ を作れたと思っています。

開発と製品を良くしていく方法

Webアプリ、フロントエンド、インフラ、デザイン、HTML、CSSなどなどの開発は全部僕がやっています。 ので、基本的には僕が「ガッ」と作って皆んなに見てもらってヤイヤイ言い合って、ときにユーザーさんの価値に立ち返って製品を育ててきました。

問題やカリキュラムについてはkamekoが主導して頑張ってくれました。

ここで良かったことをあげます:

  • とにかく速くあげて速くフィードバック貰った
  • 朝会で認識を共有してオンラインで言えないことを言う
  • ベータユーザーさんやアルバイトでお願いしたモニターさん、社員のフィードバックを徹底的に反映する

というスタイルを取っていました。

製品の動き、UXについてもそうですし、問題文の構成や学ばせる手順などもすべてゼロから作る必要があります。 とにかく計画してみて作ってみて、自分たちで使ってみてというのを繰り返していたように思います。

ホントウに、この段階から使ってくれた方のおかげて今の PyQ があると思います。 でも大事なのは「フィードバックを真に受けずに作る人間が責任持って価値を提供する」ことだと思います。

ときに、使う人自身が見えてない価値を提供するのが作り手だと思うので、 使う人にはチョット申し訳ないですが、たまに真意だけ受け取って内容をスルーしたりもしました。

大事なのは常に、ユーザーさんにとっての価値を提供することだと思います。

で、いくらでどうやって売るの

おそらくこれがエンジニア的に最大にして最強の壁だと思います。 自社サービスの会社で働こうが、受託の仕事をしようが、自分で値段を決めて自分で広めて使ってもらう機会はなかなかないと思います。

僕も多少はあれど、ガッツリ製品として売っていくことは初めてだったので分からないことだらけでした。 えぇ、もちろんチーム全員としてそうですね。チーム全員、どうすりゃええねんと。

ここでharuoさんが良い本と学習教材、勉強方法はどうかな?やってみない?と提案してくれました。 1つ、学習方法はRead For Actionという方法でチームで本から学んでみよう。 2つ、価格については各自持ち寄った価格に関する本を使ってReadForActionしよう。 3つ、販売については神田昌典氏まわりの本やWeb教材から学んでみよう。

ということでした

この本は参考になりました。

この辺の内容を参考にしつつ、チームでとにかく議論して決めました。 この頃にはLPや広告画像のデザインしてくれたmarippeも加わりなかなかホットなチームでした。

さて、価格において、販売において重要なのは何でしょうか。

色々学んだ中で考えるとやっぱり「お客さんに提供される価値はなんだろう」に尽きると思います。 お客さんに提供される価値から価格を考えたり、提供される価値・喜んでくれる人に対して知ってもらう。ということです。

原価やリソースの費用、稼働時間を元に価格を計算するのでなくて、お客さんに提供される価値を元に値段を決める。 これは大変なことですが、大事な考え方だと思います。

そもそも、お客さんに提供される価値が自分たちに見えていないと価格も決めれないってことですね。

売っていく方法

大々的にPRすればそれで良いでしょうか? Twitterで拡散すればそれでOKでしょうか?

違いますよね。すぐ話題が終わってしまいますし、知り合いがチョット知ってくれて終わりになっちゃいます。

結局、僕もそれまでのチームもコンフォートゾーンから出れてなかった気がします。 自分たちの知り合いや、身近な人しか想像できない狭い世界ですね。

そうじゃなくて、ホントに必要としてくれる人に会って、話して、その人達に使ってもらいたいです。 もちろん知り合いの方にも使っていただいてますし、農婦の方とかもいらっしゃって、今までの自分とは違う世界に来たなと思います。

話が長いので詳しくは割愛します。

神田昌典氏の講座もどうぞ http://www.cp.almacreations.jp/digital/

まとめ

自社で新規の事業を企画、開発、販売するなかで感じたことは

  1. 作れ!
  2. 学べ!
  3. 自分とチームのセンスを信じろ

ですね。

とにかく作らないと見えない。とにかくリリースしないと分からない。それが新規の事業です。ゼロからイチを作ることだと思います。 本だけ読んでエラそうな顔してた僕が言うんだから間違いないです。やれば苦労がイッパイあります。苦労しかない!? そしてとにかくリリースしましょう。リリースされてないコードはゴミです。リリースされて、人に使われて物語は始まります。

あとは今の自分にないものを積極的に学ぶことですね。 うさんくさいオッサンだろうが、マーケッターだろうが営業だろうがマッキンゼーだろうが、僕らにとってはその分野の師匠です。 新鮮な、謙虚な気持ちで弟子入りしましょう。

あと、最後にはやっぱり僕たちの力を信じるしか無いです。 ものを作る間、ホントウに価値があるかなどホントウに気を病みます(僕もメンタルはタフな自信がありましたが逆食と神経性胃炎になりました)。 大事なのは自分のセンスを、自分たちチームを信じることです。最終的には「自分たちが何をするか」です。誰に言われるかでなく。 自分たちの製品、価値、お客さんに責務を持って「調整するのでなく決める」ことが大事です。

以上、他にも勉強になった本は大量にありますし書きたいこともイッパイあります。 まずは、リリースしたテンションで書いてみました。

チームで活動してくれたharuoさん、shinさん、kameちゃん、marippe、esuji氏、shimizukawa先生、john、お疲れ!! ベータユーザーの方、モニターの方、社員の皆さん、協力してくれた人ありがとう。

PyQ の物語はまだ始まったばかりだ!(プリンセス・ハオ)